【intro】 イトウワカナの悲喜こもごも

http://intro-sapporo.com/


★★ intro 「ブルーマウンテン号の卵と間違い探し」
8.18〜8.21 @札幌・ターミナルプラザことにパトス
  
★★コンカリーニョプロデュース公演「親の顔が見たい」演出2016年秋 



スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

- - -
1011
18年も前の話ですけれど、
当時、アホ中学生のわたしが出会ったひとの話をかきます。
そのひとは、大人で、
なんだかへんてこな大人で、
先生をやっていて、演劇をやっているひとでありました。
先生、と呼んではいましたけれど、
わたしの学校の先生ではなかったので、自分の学校の先生よりも距離がありました。
実際、わたしにとっては、先生、というより、
演出家、でしたので、
当時はそんなことには気づきませんでしたけれど、
あとから考えればその距離感は適切であったと思われます。
それでいて、
演出家、でありましたので、
自分の学校の先生よりは、ずっと距離が近いひとでありました。
アホ中学生ですので、おとなには見透かされるわけで、
そして演出家ですから、ずばずばといろいろと見透かされた発言をされたような記憶があります。
親でもなく、学校の先生でもないおとなに、
あれやこれやと己の内面のはなしをされたのは、そのひとが初めてでした。
14歳にはこれはできません、とかふつうに言いました。
現実を教えてくれました。
14歳にはこんなことができる!とも言いました。
なんでもできるような気分になりました。
たぶん、
わたしが初めて出会った「おとな」でした。
そのひとはなんだかいつも楽しそうでした。
とにかく楽しそうでした。
演劇つくるのって、たのしいものなんだなぁと、そのひとを見ておもいました。
なにより、そのひとのつくる演劇はすごくおもしろかった。

時は流れ、
だらだらと、そのまま演劇をやめれなくなってしまったわたしは、演劇をつづけていました。
そのうち、書くようになり、演出をするようになりました。
演劇やりてぇなぁとはっきり思ったのはたぶん、27歳ぐらいで、
そのころ、そのひとは中学生の演劇のワークショップにわたしを講師として呼んでくれました。
ほんとうに久しぶりの再会でした。
「ご活躍で。」なんて言ってました。
俺が教えた子で演劇続けてるやついないんだよ〜なんて言ってました。
伊藤は演劇大好きだったもんなぁとか言ってました。
中学生から演劇やってるなんて、なんだかむずがゆくって、どっか恥ずかしい気持ちもあったので、
あんまりお外ではゆってませんでした。
そんなでしたけど、ちょっと〜教え子なの〜?なんて周りにけっこうすぐバレはじめ、ついに、そのひとと対談する企画が。
対談、なんてまさか、そんなことをする時が来るとも思ってなかったので、
恥ずかしいやら、嬉しいやらでした。いや、嬉しかったです。とても。
その対談がきっかけで、中学生から演劇やってるという恥ずかしさもどっかいきました。
嬉しがってくれてるひとがいて、わたしも嬉しかったので、じゃあいいかってな具合で。
ワークショップで中学生にわたしを紹介してくれるとき、
「このひともみんなと同じように中学生でした。」と紹介してくれるのも嬉しかった。
2度目に呼んでもらった中学生のワークショップのとき、
ずっと見ててくれてて、すごく面白かった!と言ってました。わたしは単純に、先生にそう言ってもらえてすごく嬉しかった。
作品をみてもらうこともできました。来てくれたときはやっぱり恥ずかしかったけど、嬉しかった。
けど、わたしは先生をもっと喜ばせたかった。
先生からもらったぶん、先生に演劇を返せなかったなぁと、悔いています。
ちょうど、お知らせしたいことがあったのです。
とても、残念です。
わたしは続けてゆきます。
先生に返せなかったぶんは、別のひとたちに返してゆきます。
きっとそういうことなんだと思います。
そういうこと言うと、お前も年取ったな〜とか言うんだろうなぁ
いやほんと、どうもありがとう。先生。
おかげさまで、死ぬまで続ける気満タンだわ。
先生より、長生きするわ。
ほんと、ひどい失恋みたいな気持ち!


親愛なる竹生東さま
ほんとにありがとありがと









 
- comments(2) trackbacks(0)
スポンサーサイト
- - -
Comment








初めまして。竹生先生の名前を探していたら、ここにたどりつきました。昨日は、中学生演劇発表会があり、竹生先生との思い出をもっている人の話を聞きたくて、探していました。

私は竹生先生の作るお芝居が大好きで。そしたら、二、三年前、面白い芝居を作る人がいるから、見に行こうと誘われて、竹生先生とデートすることに(笑)

見に行ったお芝居は正直言って、よく分からない世界でした。私は竹生先生がつくる中学演劇が好きだったので。でも、横で竹生先生は、爆笑していました。何が何だか分からない私の横で、竹生先生が楽しそうに笑っていて。あまりにも、楽しそうに笑っているので、私はわけ分からないけど、幸せな気分になりました。

それでも、そんな思い出も実は忘れていました。だけど、ここにたどり着いて、思い出し幸せな気分を思い出しました。竹生先生の文に少し似ていますね。そのせいもあったのかもしれません。思い出を思い出させていただき、ありがとうございました。

私達が見に行ったその時のお芝居の演出家さんの名前が、イトウワカナさんと書いてあったと記憶しています。

まだ私には理解できないかもしれないけど、またお芝居を見に行きたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

頑張ってください。ずっと、お芝居を作って、竹生先生を笑わせ続けてくださいね。
from. | 2013/11/26 19:05 |


コメントに気づかずにいたのです。ごめんなさい。
あまりに遅すぎてきっと読むことはないのだろうなと思うのですけど、
返信しておきたくて、書いています。

お手紙をありがとうございます。
とても嬉しかったです。

わたしも、あなたと同じように、
先生のつくる演劇が大好きだったのです。
今では、かつてのあなたのように人をポカーンとさせたり、
かつての先生のように爆笑させたり、
にやにやさせたり、怒らせたり、というような演劇をつくることをしています。
それが、わたしにとって、おもしろいことで、
それが演劇だと思っているからです。
それもこれも、スタートはあのひとですから、
あんまりあなたとわたしは遠くないような気が、勝手にしています。
これからもそうやって、演劇をつくっていくような気がします。
どこかで名前を見かけたりしたら、
また、演劇を観に来てください。
かつて、わたしが、中学生であって、今は32歳であるように、
わたしも、そしてわたしの作る演劇も、変わってゆくと思います。
きっと、あなたも変わってゆくのだと思います。
とても、すばらしいことだと思います。
劇場に来たら、ぜひ声をかけてください。
ぜひあなたにお会いしたいと思っています。

イトウワカナ
from. イトウワカナ | 2014/01/27 22:19 |
Trackback
この記事のトラックバックURL: トラックバック機能は終了しました。
<< NEW | TOP | OLD>>