【intro】 イトウワカナの悲喜こもごも

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★★ intro 「ブルーマウンテン号の卵と間違い探し」
8.18〜8.21 @札幌・ターミナルプラザことにパトス
  
★★コンカリーニョプロデュース公演「親の顔が見たい」演出2016年秋 



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花瓶を買った件
春の風物詩、コンカリ骨董市に遊びに行った、ら、
なんだか、ビシーン!と、出会ってしまったものがあった。
1周目、そこを通ったときには気づかなかったんだけど、
2周目、吸い寄せられるように、その、薬の戸棚をあけると、
真っ白の中に、青、ぴんく、みどりの、マーブル模様の花瓶がそこにあったのでした。
なんだか変わった硝子で、
しげしげと見たり、べたべた触ったりしてた、ら、
お店のお兄さんが、硝子、好きなんすか?と話しかけてくれて、
その硝子はたぶん満州終わりぐらいのだよ〜、と、
教えてくだすった。
それ、だいぶ古いな、、と、思いつつ、お兄さんとお話しつつ。

硝子は好きだ。
けど、わたしの好きな硝子は主に食器で、
花瓶なんて、初めて目を奪われていて。

なんでもこの花瓶は、お兄さんが、好きで持ってたものらしく、
店舗を持っていないお兄さんは、ここで出してみよ、と思ったらしく。
その硝子は、わたしの趣味のものではなくて、
けど、なんだか惹かれてしまうものだった。
趣味じゃないものに惹かれてしまったときっていうのは、なかなか、むずかしい。
今、この瞬間だけ、素敵!って思ってるんじゃないかと思ってしまったりするし。

お兄さんは、お昼ご飯を食べに行ってしまい、店番を頼まれたのは隣のお店のお兄さん。
何度も戻って観に来るわたしに、お兄さんは、それはもう買ったほうがいいよ〜と。
そういう出会いは買ったほうがいいのだ。あとで、やっぱり!と思っても、それはもう二度と手に入らない、と。
モノが呼んでるんだよ〜と、言っていた。

総じて、古物商のお兄さん方は、どうも昔やんちゃだった感じがする。
どうしてどうやって、この道に入ったかは聞かないけれど、
ああいうひとたちの、ほんとう、と、うそ、は、見分けにくい。
だいたいが、
だいたいほんとう、で、だいたいうそ、のことを言う。
だから、わたしは彼らが好きだ。
信じるも信じないも、君の好きにしなよ、ってかんじが、好きなんだ、たぶん。

これがどういうものでも、もう良かった。
ただ、仲良くなれそうな気がした。
ツンケンしてたけど、なんか、肌触りが好きだったのだ。
店主のお兄さんを待った。
さとあきさんや、成田さんが、へぇ〜!わかなはこういう花瓶にこころ惹かれるの!と観に来てくれた。
観に来てくれた、というよりは、見てもらった。かんじ。
一番近いのは、彼氏を紹介する感じ。
趣味じゃないんすよ!と言っていた。
けどね〜だからじゃないの〜と、言われ、そうね確かにね、と、思う。

お兄さんが、ごはんから帰ってきて、わたしは、
「これ、買ってもいいですか」と聞いた。
ちょっと、む、と言う顔をしながら、「いいですよ」と言った。
「大事にしてくれそうだから、いいです」と、彼は言った。
「大事にします」と、わたしは言った、と思う。
そして、いくらって書いてました?ときいてきて、
花瓶の底を私は見せて、彼は1000円、引いてくれた。

「大事にしてくださいね」
「割らないでくださいね」
と、お兄さんは言った。
厳重に、新聞紙を巻いてくれて、
それを入れる袋も、ジャストサイズの袋を探して入れてくれた。
割れないように巻いときました、って言った。

「ひょっとしたら、化けるかも」って、お兄さんはそのとき、
右ナナメ上のほうを見ながら言ったんだけど、
ピンとこなくて、へぇ、ぐらいでいた。
古いものなんですよね、とわたしが聞いたら、
古いですね、かなり。と、お兄さん答えた。

名詞をくれた。
いまどき、メールアドレスもない、名詞。
お金は払ったけど、
ただ、わたしは彼の大事なものを、
や、大事じゃなくても、
彼の好きなものを、譲り受けたのだなと思った。
見ず知らずのひとの、好きなもの。
そういう買い物ははじめてで、
今も、なんだか嬉しい。
大事にします。
ほんとに、大事にします。

花瓶は、たぶん、うちの中で最長老で、
だいたい趣味ではないから、どこに行くあてもなく、とりあえず、PCの横にいる。
そして、わたしにべたべた触られている。

花瓶を買ったの、と言ったら、
それに会う花を探すのもいいね、といわれ、
あ、これは花瓶だった、と思う。

 
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4.7
18才ぐらいから、この界隈をうろうろするようになって、
たぶん、20才ぐらいだと思うのだけど、
芝居のべんと箱にださせてもらったりしてた。
わたしが出るのは、棚田さん作・演とかのほうで、
(とか、お楽しみ会的なものでの3平さんが作った余興とか)
だから、桝井さんとは直接あんまりお話したこともなかったけど、
「わぁ、桝井さんだぁ〜」と、
桝井さんを見るたびに、喜んでしまっていた。
だって、桝井さんだから。
ご挨拶とかするときは、こっちがしゃんとする。
だって、桝井さんだから。

先日の、
ほんとうに見てよかった。
背筋が伸びた。
わたしはひとつしっかりしたものを、桝井さんからもらいました。



 
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